ノコトラジオFridayPCケアの『パソコン出張お助け隊』第1147回2025-08-15

今週のお話は、「奇跡のパソコン修理」として、私が経験した実例をMROラジオでお話しました。この内容はこれまでも、夏がくる度に思い出すので、何度もお話しています。この修理事例は、当時在籍していた修理修理スタッフも皆知っている事実です。

いつもこうした話をすると、本当なの?っておっしゃる方がいらっしゃいますが、実際にあった奇跡の事例なのですよ。ラジコでも再度聞くこともできますが、さらっと内容を言いますと、20年くらい前になりますが、当時富山県でもKNB北日本放送さんの「コンビニラジオ相本商店いらっしゃいませ~」に出演していましたが、夏の暑いでしたよ、ラジオが終わっていつも通り金沢に戻ろうと富山市の山室店で待機していたら、本部から連絡があり、どうしても修理して欲しいパソコンがあって至急修理して欲しいってことで、住所を聞いたら、「岐阜県です」って言われ、頭ではお断りって思っているが、口に出たのが、「ああ、いいよ行くよ」ってことで、出張修理に向うことになりました。けれども、山間の村らしく、直接依頼主の方に電話して道順を詳しくお聞きして現地へ向いましたが、国道から脇道に入ってくねくね曲がった道をいけどもいけども目指し場所がない、完全に迷ってしまったようで、事前にお聞きしていましたが携帯が繋がらないエリアで、これ以上先に進んだら、アウトだと思い、国道までなんとか戻って、ガソリンスタンドを見つけてお客様に電話したが誰もでず、まずいなあって思っていたら、ガソリンを入れに来た方がいたので、お客様の住所を知らないか尋ねたら、そくご存じで詳しく地図を書いてくれて、その地図を頼りに再び山を上がって行きましたら、途中で女性が現れ、この方が依頼者さんで、心配になって途中まで迎えに来てくれたようでした。依頼主さんを助手席に乗せ、指示通りに車を進め、やがて、広い空間が現れ1軒のお宅がありました。奥様に促されるかたちで、玄関から2階に案内されました。ここまでは普通のことですが・・・依頼の内容はパソコンが2台あってどちらも起動しないと言うことでした。床にあったノートパソコンは台湾製のよく不良になる機種でした。動作確認で通電しましたが無反応なので、「こちらのパソコンはデータ復旧作業になりますね」と言うと、奥様が「そうですか、それはあきらめますが、そっちのパソコンを修理して欲しい」と、デスクのパソコンを指しました。それは、SOTECのデスクトップパソコンでした。通電確認すると、Bios画面になり起動しない、おまけにBiosパスワードもかかっていました。私が「このパソコンにはパスワードがかかっているので、パスワード教えていただけますか?」ってお聞きしたところ、奥様が「このパソコンは息子のものなので、分からないの、何とかできませんか?」、「そうですか、じゃあパスワード解析とかやってみますけど、時間がかかりますから、終わりましたら呼びますので・・・」って1階でお待ちいただくように促しましたが、奥様は、「いいえここで見ていますから、どうぞお願いします」っておっしゃるので、私は机のデスクトップパソコンで作業をはじめました。パスワード解析は何度やっても失敗、パスワード削除を試みましたが、起動する度に「パスワード」入力画面が出てきて先に進めない、このままでは何もできないので、私が「息子さんにパスワードをお聞きしたいので、連絡を取っていただけますか?」って言いました。奥様は最初、「申し訳ないけど、息子は遠方にいて、連絡取れないのです」っておっしゃったので、私が「息子さん、携帯とかお持ちではないですか?」って言いましたら、奥様の次におっしゃったことは、「実は息子は亡くなってしまったので、連絡が取れないのです。ですから、何とかなりませんか?」って驚きの言葉、それを聞いた瞬間、目の前のモヤモヤした空気がさっと引いた感じになり、「ええ!そうなのですか?」って振り返った、その時、自分のいる部屋の異常に気づきました。机の後ろのベッドに座っている奥様がいて、そのベッドの枕元には、菊の花が供えなれていて、部屋中線香の臭いがしていることに、我に返ったように気づきました。その瞬間ことの状態を察しました。部屋を見回すと窓すべてに目張り状に黒い布が張られていて、外が見えない状態になっていました。息子さんはここで自死?病死?色々な思いと恐怖感を抱きながらも、依頼内容にそって、「パソコンを一旦お預かりして、中のデータ復旧ができるのか診断させていただきますので、よろしいですか?」って言いましたら、「ぜひ、お願いします。パスワードのことはひょっとしたら娘が知っているかもしれないので、連絡させますので・・」こうした会話をした後、問題のSOTECパソコンをお預かりして金沢店へ戻ったのですが、山間からどこをどうやって戻ったのかまったく覚えていないのです。気づいたら金沢店に戻っていた感じでした。そして、戻ってからPC内からハードディスク(HDD)を取り出しデータ復旧作業を実施しましたが、HDD単体で認識されず、お手上げ状態でした。夜遅くでしたが、妹さんから電話がありました。パソコンのパスワードは分からないが、想定される数例をお聞きチャレンジしましたが、すべてOUT、妹さんから電話のあった際、気になっていたので、奥様(お母様)のとった行動の意味をお聞きしたところ、お母様からお聞きになっていたようで、お兄様の部屋に私を一人にしなかったのは、お兄様の気配を感じていたからとのことでした。また驚いたことに、お兄様が亡くなったのが2週間前と聞いて、妙に納得しました。更に、お聞きしたのは、パソコンに保存されているのは、ご家族の思い出の写真やご家族の動画が全部保存してあったので、ご両親も妹さんも、データを取り出して欲しいとのことでした。それをお聞きし熱いものを感じましたし、何か温かいご家族の思いを感じました。そして妹さんからお兄様の亡くなった経緯をお聞きしました。最後はやはり自死されたようです。原因はバイクで事故にあい寝たきり状態だったとのこと、ご家族を拒絶するようになり、妹さんはいつかこうなることを恐れていたようですが、現実になりご両親も落ち込みがひどいので、せめて、パソコンが復活して家族の思い出を残しておきたいから、データを取り出して欲しい。お約束はできませんが、できる限りのことはさせていただきますって言って電話を切りました。当日は他の修理もあり作業が深夜におよびました。しかし、HDDは一向に認識せず、パソコン本体もBiosパスワードがかかっていて一切触れない状態でした。目途がたたないので仕方がないので、現状のまま返却するしかないと思い、取り外したHDDを元に戻して組み上げました。2:00AMには切り上げようと思っていたので、元に戻し念のためパソコンの電源を入れてみたところ、奇跡が起こったのです。電源ボタンを押した瞬間、「パシッ」って音とパッって光って、何かショートしたのかなあって思ったら、次の瞬間、「ピ」と起動音がなり、画面が起動画面になったのです。その画面には、Windows XPの起動メニューが現れました。これって起動するのかって焦る気持ちを抑えながら、エンターキーを押したところ、パスワード入力を求められることなく、普通に起動しました。思わず「奇跡やああ」って叫んでしまいました。保存された写真や撮影されたビデオはきれいに整理されていました。正常動作を確認してから、念のため全データをバックアップしました。翌朝、お母様に電話しましたら、「直るって思っていました、ありがとうございます」って言われまして、後日納品に伺いました。正確には、別のスタッフが対応しました。これが「奇跡のパソコン修理」です。

2025年08月15日